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一七条決定後の流れとは

(1)意義
民事調停法において以下のとおり定めている。「裁判所は、調停委員会の調停が成立する見込みがない場合において相当であると認めるときは、当該調停委員会を組織する民事調停委員の意見を聴き、当事者双方のために衡平に考慮し、一切の事情を見て、職権で、当事者双方の申立ての趣旨に反しない限度で、事件の解決のために必要な決定をすることができる。この決定においては、金銭の支払、物の引渡しその他の財産上の給付を命ずることができる」(一七条)。すなわち、調停に代わる決定は、当事者一方の頑固な意思により、またはわずかな意見の相違によって、調停が不成立に終わり、調停手続きが徒労に終わることを避けるためにできた制度である。調停が成立する見込みがない場合において、裁判所が、調停の解決のために必要な決定をすることができることを認めている。裁判所が一七条決定を発令をする際、必ず調停委員会を組織する民事調停委員の意見を聴取する。特定調停においては、調停成立事案とほぼ同数の一七条決定が発令されている。

(2)一七条決定の要件
1 調停成立の見込みがないこと
当事者間に合意が成立する見込みがない場合、もしくは成立した合意が相当でない場合で、相当性のある合意が期待できない場合である。

2 決定内容が「公正かつ妥当で経済的合理性を有する」ものであること(特定調停一五条)
特定債務者の経済的制裁に資するという観点から、当事者双方にとって経済的に合理的であることが求められる。例えば、債権者にとれば、債務者が破産に至るよりも、譲歩して合意する方が有利である場合もある。また、債務者にとっても担保権者と一般債権者の間に優劣をつけることもあろう。例えば、相手方である債権者が出頭しないため、話し合いにより互譲を求める余地がない場合などがこれに当たる。実務では、調停委員が相手方に電話による事情聴取をし、一七条決定の内容を相手方が承諾した後に、裁判所が一七条決定を発令する場合がほとんどである。

3 債務を分割弁済する場合の一七条決定
残債務を分割弁済するという特定調停が成立した場合の調停調書と同様の内容の一七条決定が発令される。残債務が、取引当初からの履歴が開示された上で利息制限法に基づく再計算されたものであるかどうか確認する必要がある。

4 残債務がない場合の一七条決定
特定調停では、申立人から相手方への債務が存在しないことが判明した場合、「申立人の相手方に対する債務は存在しない」という調停、または一七条決定が成立する場合が多い。