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調停前措置命令の申立方法

この手続きを利用するメリットとしては、保証金が不要、つまり無担保での発令が可能であることがあげられる。例えば、従前、商工ローン問題で債務者が振り出した手形や小切手の呈示を止めるために「処分禁止の仮処分手続き」が多用されていた。しかし、通常手形額面の一〇%から二〇%の保証金が必要となり、例えば額面一千万円の手形を振り出している場合には一〇〇万円から二〇〇万円の保証金が必要となるため、これら保証金の調達が困難な特定債務者がほとんどであった。これに対し、特定調停では、調停前の措置命令が発令される際に保証金は不要である。

(1)申立書・添付書面
特定調停申立てと調停前の措置申立ては同時に申立てをすることになる。次頁に、調停前の措置命令申立書を掲載する。

(2)関係当事者への審尋
調停委員会は、調停前の措置命令発令の必要性を判断するために申立人の審尋を行う。相手方については簡易裁判所の判断で行うこともできるが、実施することはごく稀である。

(3)不服申立て
調停前の措置命令に対して、相手方その他の事件の関係人は不服申立てをすることができない。一方、調停前の措置の申立てを却下した処分に対して、申立人は不服申立てができない。

(4)過料による制裁
調停前の措置命令が発令された際、相手方が正当な理由なく調停前の措置に従わない場合には、金一〇万円以下の過料に処することができる(民調三五条)。