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民事執行手続きの申立方法

(1)申立書・添付書面
特定調停申立てと同時、もしくは特定調停申立後直ちに、民事執行停止の必要性を証明するため、次の事項を明らかにする書類を提出して申立てをする(特定調停規三条)。

1 民事執行手続きのために提出する書類
①「当該民事執行の手続の基礎となっている債権または担保権の内容」
判決・公正証書などの債務名義などがこれに当たる。
②「前号の担保権によって担保される債権の内容」
登記事項証明書、金銭消費貸借契約書などがこれに当たる。
③「当該民事執行の手続の進行状況」
差押命令正本、執行裁判所からの通知書などがこれに当たる。
④「特定債務者の調整に関する関係権利者の意向」
差押債権者の分割弁済案に対する考え方などがこれに当たる。
⑤「調停が成立する見込み」
家計簿、金銭出納帳、陳述書などがこれに当たる。

2 強制執行停止決定申立書記載例を掲載する。申立書には、強制執行の停止を求めること、また、その理由につき記載する。

(2)関係当事者への審尋
特定調停の係属する裁判所は、民事執行停止の申立てがあった場合において、必要があると認めるときは、当該民事執行の申立てをしている関係権利者を面談によって聴き取り調査をする(特定調停規三条二項)。これは、民事執行の手続きの停止を命ずることが適当かどうか、担保が必要かどうかなどを検討するためである。無担保での強制執行停止決定が発令された場合の記載例を掲載する。

(3)民事執行手続きの停止期間
民事執行手続きの停止期間は特定調停が終了するまでの間とされている。特定調停が終了または不調となった場合には、民事執行停止手続きも終了し、執行停止手続きの効力も終了する。

(4)民事執行停止申立てをするにあたっての注意点
民事執行停止命令が発令された場合には、代理人から決定書を直接相手方に送付して和解交渉を優位に進める努力が必要である。通常、大手貸金業者の場合は、裁判所の命令を無視して給料差押えを継続することはほとんどない。例えば、代理人が任意整理手続きをする場合に、債権者が強制執行をしてきたとき、特定調停申立てをし、民事執行停止の申立てをした上で、代理人が債権者と任意整理手続きを行うことも、債務整理手段として有効である。