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個人再生に伴う具体的手続きとは

(1)債権者の消極的同意と同意不要
現行法上、小規模個人再生は、通常再生(民事再生法の原則的手続き)の特則、給与所得者等再生は小規模個人再生の特則として定められている。これらの大きな違いは、再生計画認可決定に至る過程の中で債権者の意向がどれだけ重視されるか、ということである。通常再生では、再生計画を認可するには、債権者の法定多数の積極的同意が必要である。小規模個人再生では、債権者の法定多数の消極的同意(不同意がないこと)で足りる。給与所得者等再生では、債権者の同意は、不要とした。給与所得者等再生では、極端な場合では、債権者の全員が反対しても再生計画は認可される(もっとも、同意要件を不要としたため、再生計画案にどれだけの債権者が賛成なのか反対なのかは、特に集計しない)。

(2)可処分所得額要件の有無
個人再生には、再生計画において債務者が支払うべき最低弁済額が定められている。可処分所得額とは、給与所得者等再生に限定して民事再生法二四一条二項七号で定められている最低弁済額要件の一つであり、詳しくはあとで述べるが、債務者の収入や扶養家族の状況等によって金額が変化する。可処分所得額要件があることによって、それがない場合に比べて最低弁済額が引き上げられてしまう事態が、常にではないが、しばしば発生する。事案にもよるが、概していえば、可処分所得額要件があるために、給与所得者等再生を利用すると、小規模個人再生を利用するよりも、多額の弁済をしなければならないことになりがちである。

(3)再申立制限の有無
給与所得者等再生の場合、前に給与所得者等再生を利用して完済したり、破産免責を受けていたりすると、その後当該再生計画認可決定や免責許可決定の各確定から七年間は給与所得者等再生を利用できない(民再二三九条五項二号)。小規模個人再生にはそのような制限はない。

(4)免責不許可事由の有無
給与所得者等再生を利用して完済した人が、その後破産して免責許可の申立てをした場合、免責許可の申立てが再生計画認可決定確定から七年以内のときは、免責不許可事由となる(破二五二条一項一〇号)。小規模個人再生の場合には、こうした免責不許可事由はない。したがって、将来、自己破産免責を利用する事態が発生するかもしれない債務者については、うかつに給与所得者等再生を利用すべきではなく、小規模個人再生を利用した方が安全である。