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特定調停の今後の展望とは

(1)不動産担保がある場合の将来利息カットの取扱いの差異
特定調停の基本方針である将来利息カットは、担保の有無により変わらない。原則どおり、債権者への説得に努める調停委員がいる反面、不動産担保があることで調停成立を躊躇する調停委員も存在し、取扱いが不統一である。裁判所の姿勢として統一されるべきである。

(2)調停前の措置申立て、強制執行停止の申立ての発令
調停前の措置、強制執行停止については、まだまだ十分に活用されていないため、簡裁でも申立てに対して、十分な対応がされていない。また、無担保で発令される簡裁がある反面、担保を要求する簡裁もあり、基準が不明確である。

(3)本店・支店・営業所が存在しないとして特定調停の申請を受理しないケース
自庁処理の申立ての取扱いにより、相手方債権者の管轄がない場合にも、債務者の住所地の簡裁で、調停手続きを受理する運用がある一方で、債権者の支店、営業所がないことを理由に、特定調停を受理しない簡裁もあり、受理の基準を統一する必要がある。

(4)特定調停の今後の展望
調停の申立件数が、二〇〇四(平成一六)年は約三八万件、二〇〇五(平成一七)年は約二七万件、二〇〇六(平成一八)年は約二六万件、二〇〇七(平成一九)年は約二〇万件と年々減少している。これは、司法書士の簡裁代理権付与と過払金返還請求により、これまでは債務が残ると考えられていた債務者が、過払金返還請求訴訟に移行したことがその主な要因であると考えられている。しかし、特定調停には、特定債務者の経済的再生という目的だけではなく、債務整理の一環として、事前措置、執行停止、不動産担保における将来利息カットなど、通常の任意整理と比較しても有利な面が多い。今後もますます特定調停の有効な活用が望まれる。